ひと昔前までは、人の手で幟(のぼり)やのれんの文字や紋などの印を、筒引きという道具を使って、直接生地に防染のりを置いて、それから染料で染めていました。
しかし、今ではコンピュータで染めの型は作られています。
やなわけ染色では、染め型のデータを作るのにはアドビ社のIllustratorというソフトウェアを使っています。
なので、Illustratorのデータ入稿だと、作業がとっても捗るのですが、もちろん、Illustratorのデータはないが、見本はあるという場合は、見本から作らせてもらってます。
データ入稿での仕事が6〜7割ぐらいで、残りが見本から作成したり、お客さんと相談しながら作ったりしている感じです。
そんな感じで、染め型はどんどん進めてます。
そして、肝心の色の決め方にも、いくつかのやり方があります。
分かりやすいのが色見本があって、それに合わせて調色して染めるというもの。
色見本をいくつか見ながら、こんな感じかな〜で十分伝わります。
ただし、色見本でも布生地ベースでの色見本なのか、紙ベースの色見本なのかで、色の再現性は変わってくるときがあります。
やなわけ染色で色を合わせるときによく使われているのが、全染研カラーという色見本帳。
これは全国青年印染経営研究会(略して、全染研)が作っている、印染を生業としている職人さんたちが総力を挙げて作った色見本帳なのです。もちろん、弊社も協力して色を作ってます(Facebookページもあります)
この見本帳のいいところは、シャークスキンという綿生地に染めたあるものなので、再現性が非常に高い。逆にいうと、この見本帳に載っている色は、必ず表現できる色ということです。
そして、DICカラーやPANTONEなどのカラーチャートを使用しています。
こちらはカラーチャートが紙でできてるので、光の加減や色の色味で、紙の上なら出る色だけど、生地の上ではどうしても再現できない色というものがあります。どういう色がそういう色になるのかというと、いわゆる明るすぎる色です。
目の覚めるようなスカイブルーなどは、生地によっては再現しにくいものがあります。紙の上では、なんてことないかのように再現できるのに…です。
そして、色見本帳やカラーチャートではなく、旗やのれんなどの見本そのものがあって、それと同じ色にして欲しいというのもあります。こちらは再現性高いです。
色見本帳を眺めながら、「こんな感じの色で!」という具合に教えていただければ、それでOKです。