タイトルにもあるように、「暖簾」について考えてみたいと思います。
普段、自分たちがお客さんから注文を受けて作っている暖簾なんですが、私はいま一度それをちゃんと考え直したいと最近思うようになりました。
どういうことかというと、
「暖簾とはお客さん(利用者)にとって、いったい何なのか?」
という根源的な問題について、深く考察したくなったのです。
で、まず「暖簾」というものの定義から入ろうと思い、Wikipediaではなく、自分が高校生の頃に使っていた古い国語辞典を引っ張りだしてきました。
そこに書いてある「暖簾」の定義とは、
①屋号などを書き、店の軒先や出入口に掲げる布。
②店の格式・信用
③(一般家庭で)日よけや室内の仕切りなどのために軒先や出入口に垂らした布。出典:集英社国語辞典 第一版より
この他にも、「暖簾」という言葉が用いられていることわざも数多く見受けられます(例:暖簾に腕押し、など)。
私たちが日常作っている暖簾は、①のところの「暖簾」を作っているわけですが、②を意識して作らなければ、それはただの“店の軒先や出入口に掲げる布”になってしまいます。
そのためにはお客さんとより多くのコミュニケーションを取り、お客さんのそのお店/会社に対する思いや情熱をしっかり理解した上で、暖簾をひとつひとつ作っていくのが王道だと思うんです。いや、そこが入り口になると思うんです。
しかし、暖簾にそれほどの思い入れのない人も当然いるでしょう。
できることなら、そういった方々には暖簾の持つ意味を理解していただいて、ご自身が見ているだけで力がみなぎってくるような暖簾を私たちは作る。それが目標です。
それでも常に自問しておこうと思います。
「暖簾とはお客さん(利用者)にとって、いったい何なのか?」を。