神社のぼりを作るときのポイント(その2)

投稿者: | 2015年11月19日

前回は神社のぼり、また奉納のぼりを作ろうとするとき、まず最初に確認していただきたいことを書きました。詳しくは前回の記事を読んでくださいね!

さて、今回は奉納のぼりをいざ作ろうとしたときに、あまり意識されないところにフォーカスを当てます。生地選びです。

どんな生地が良いの?

見本ののぼりを持って来られる方の多くは、

「この見本と同じ生地で」

とおっしゃられます。

そういう場合、見本ののぼりがどんな生地で仕上げられているのかを確認し、うちにある同じ生地をお客さまに実際に触っていただきます。それで確認いただいた上で、その生地を使ってのぼりを染めていきます。

そうではない場合、生地選びという作業が入ります。

奉納のぼり用の生地(綿に限る)として、いつも挙げているものが三つあります。

  1. 天竺(てんじく)
  2. シャークスキン
  3. カツラギ

それぞれの生地の特徴を説明していきます。

天竺(てんじく)

汎用性の最も高い綿生地です。

のぼりだけでなく、法被(はっぴ)や暖簾(のれん)、旗、幕など数え上げればキリがありません。綿生地におけるオールラウンダーといったところです。

軽くそれなりに丈夫で、大きな奉納のぼりになっても取り扱いに苦労しません。

シャークスキン

「シャーク」とは鮫のこと。「スキン」とは肌のこと。

一般に「鮫肌」というと、ザラザラした肌触りのことを指します。しかし、このシャークスキンという綿生地の肌触りがザラザラしているという意味では決してありません。見た目が鮫の肌に似ているという意味です。

この綿生地も天竺と同様、汎用性が高いです。どんな用途にも使われます。スーツの生地にもなるような生地です。おまけに天竺よりも生地がしっかり織られているので、天竺よりも耐久性が高いです。

個人的に最も好きな生地のひとつです。

カツラギ

「カツラギってどんな生地?」と聞かれると、だいたいいつも

「ジーンズの生地で薄いやつ」と答えています。それがいちばんわかりやすいと思うので。

綾織りしてあり、生地の表面を近くでよく見ると斜めの線が見えます。それが大きな特徴です。

そして、ジーンズ生地の薄いものといえど、強度は高いです。仕事着などではカツラギがよく使われています。それくらい、ハードな用途にも耐えます。

このカツラギも上述の二つの生地同様、幅広く使われています。法被、旗、幕など、この生地で染めているものは非常に多いです。もちろん、奉納のぼりにも大変よく使われています。

見本は天竺だけど、お客さまから「もうちょっとしっかりした生地のやつがいい」と望まれたら、迷わずカツラギをお勧めしています。

迷ったらカツラギを選ぶ

奉納のぼりで生地をどうしようかと迷われたら、まずカツラギをお勧めします。

それぞれの生地で良いところもそうでないところもありますが、奉納のぼりは結構大きなものになりがちなので、5メートルを超えるようなものになれば、カツラギの方がいいですよ。

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