「打つ手はいくらでもある」:カモ井加工紙株式会社社長の講演会に行ってきました。

投稿者: | 2015年2月2日

先週の金曜日の夕方に、岡山県中小企業家同友会主催の新春経営講演会に出席してきました。

誰の講演なのかといえば、『mt』で有名でカモ井加工紙株式会社の鴨居社長のお話でした(NHKの連続テレビ小説に出てくる、堤真一さん演ずる鴨居社長とは違います)。

カモ井加工紙株式会社の歴史に始まり、ハエ取り紙、シーリングテープ、そして「mt」の開発秘話など、商品の話だけでも大変興味深かったです。

 

「mt」のデザインはたった1人のデザイナーさんだけが携わっているだけであり、それがあるから「mtのデザインにはストーリーがある」と、評価を受けているそうです。「デザインの中にストーリーがある」というのはわかるのですが、様々な柄のmtがある中で、どういうことが「ストーリーがある」のか、誰かわかる人に教えてもらいたいです。

 

そして、10円玉の話。

誰しも10円玉は知っている。毎日手にしているだろうし、買い物をするときには必ずと言っていいほど見ているはず10円玉。

 

それなのに、10円玉の図柄(平等院鳳凰堂のこと)の絵を描くことはできない。10円玉の直径が何ミリ(センチ)あるのか分からない。10円玉も重さも知らない。そして、10円玉に含まれる銅の含有率なんてのは、まず知らない。

  • 仕事でお世話になっているお客さまのことを自分たちはどれだけ知っているのか?
  • 会社でいっしょに働いている社員さんたちのことを、経営者はどれだけ知っているのか?
  • 家庭の中で奥さん(旦那さん)のことをどれだけ知っているだろうか?

こういうことを通して、知っているつもりになってることを改めて、もう一度見直してみないといけないことをお話しされてました。つまり、「初心を忘れてはいけない」ということなのだな、と理解しました。

 

そして、鴨居社長のお話で最も興味深かったのは、「詐欺師から学べ」というもの。

 

詐欺師というのは、なんでもない商品に法外な値段をふっかけて、それを人に売ろうとする。詐欺師は当然つけてる値段が法外な値段であることをよく知っている。しかし、あたかもそれが素晴らしい商品であるかのように人に説き、それを買ってもらうように導いていく。買ってもらう(=騙す)ために詐欺師は知恵に知恵を絞る。努力に努力を重ねる。

 

そんな詐欺師の商品でさえ、買ってしまう人は結構な数いる。

独自の技術とこだわりをもって真っ当に商品を作っている私たち経営者が、(真っ当な方向性で)詐欺師のように知恵を絞り努力を重ねれば、お客さまに必ず受け入れていただける、といった旨の内容だったと思います。

 

それを聞いて、「たしかに打つ手はいくらでもあるな」と、さらに前向きな気持ちになれました。

年のはじめに良い講演会に出席できてよかったです。

 

 

P.S. 冒頭に「新春経営講演会」と書きながら、この時点ではまだ1月なので「今年の1月はちょっと感覚的に長かった?」と思ってしまいました。